Remember The Milk プロジェクト管理 | 複数タスクをグルーピングする最適な方法とは

Remember The Milk でプロジェクト(複数タスクの集合)を効率よく管理するための方法を紹介します。

プロジェクトとは?タスクを小分けにする理由

ここでいうプロジェクトとは、一定の日数やステップを要する作業を意味します。一般的にそのような作業をタスク管理システムに登録する際は、複数の小さなタスクに分解する方法が推奨されます。消化する作業内容に漏れが発生したり、作業進捗状況の内訳が把握できなかったり、あまりに作業範囲が広すぎるために着手に躊躇してしまうなどの問題を解決するためです。
GTDを紹介した 「ストレスフリーの仕事術―仕事と人生をコントロールする52の法則 (デビッド・アレン著)」 の中でも、タスクは物理的な行動によって分解されるべきであると書かれています。
具体的な例をあげるとすれば、「プレゼンの準備」というタスクがプロジェクトに該当し、「市場調査」「資料作成」「上司に承認依頼」「会場用意」「出席依頼メール送付」といったものが分解されたタスクということになります。漠然と「プレゼンの準備」とされているより、よっぽど具体的で行動しやすいタスクに変化していることが分かると思います。

最適な管理方法とは?

さて、前フリはここまでにして、Remember The Milk でプロジェクトを管理する方法を考えてみましょう。実は Remember The Milk にはプロジェクトという明示的な概念はありません。では、最適な管理方法とはどうすればよいのでしょうか?

※分解前のプロジェクトタスクはProjectリストに1つだけ登録します

タグ付けで管理する

それはタグ付けでプロジェクトを管理することです。プロジェクトを分解することで発生したタスクを全て登録し、その全てのタスクに「prj_プレゼンの準備」タグを付与します。そしてプロジェクトタスクを破棄します。これだけでOKです。1つのタスクが複数のプロジェクトにまたがる場合は、プロジェクト数分タグを設定します。

※分解されたタスクには全て「prj_プレゼンの準備」タグを付与します。

タグ名の先頭に「prj_」を付与する理由

「prj_xxx」としたのにも理由があります。接頭語を統一しておけば、タグクラウドでプロジェクトがまとまって表示されます。また、そのタグがプロジェクトタグであることが一瞬で理解できます。さらに、タグ入力時に保管機能を利用して簡単にタグを選択することができます。(IMEを切ったまま「prj_」と入力するだけでプロジェクト用のタグを選択できるようになります)

スマートリストを作成する

仕掛中のプロジェクトを明示的に管理するためにスマートリストを作成します。タスク登録後、タグクラウドから該当するプロジェクトタグを選択し、スマートリストとして保存します。(比較的小さいプロジェクトの場合は、スマートリストを作成する必要はないでしょう。大きなプロジェクトの場合のみ、プロジェクトが進行中であることを視覚的に確認できれば十分です)

残タスクのあるプロジェクトが一望できる

タグクラウドに表示されるタグは未完了のタスクに設定されているタグだけなので、プロジェクトに含まれるタスクが全て完了すると、自動的にタグクラウドからプロジェクトのタグが消滅します。逆に言うと、タグクラウドには、残タスクのあるプロジェクトタグが全て表示されることになります。

プロジェクトの部分分解が可能

この方法なら、プロジェクトの一部だけをサブタスクに分解するということも簡単にできます。切り出したタスクとは別に「未分解の残作業有り」というタスクをサブタスクとして出力しておけばよいのです。そうすることで、プロジェクトのスマートリスト上に「未分解の残作業有り」というタスクを確認できるので、週次レビュー時に拾い上げることができます。

問題点

一つだけ問題点をあげるとするなら、完了して消滅したプロジェクトタグが、タグ入力保管候補からは消滅しないということです。プロジェクトが増えてくると保管候補が溢れて選択しずらくなります。それを考慮すると、「prj2007_」とするなど、プロジェクトタグの命名規則をひと工夫する必要があるかもしれませんね。

タスク名の先頭にプロジェクトを付けてはいけない理由

ちなみに、、よく語られるプロジェクトの管理方法として「タスク名の先頭にプロジェクト名をつける」というものがあります。これはプロジェクト管理手法として適していると言えるでしょうか?答えは「No」です。。
最も大きな理由は、タスク名が長くなってしまうことです。実はこれは切実な問題です。例えば GoogleカレンダーRemember The Milk のタスクをインポートして月表示でタスクを見ようとした場合、プロジェクト名しか表示されない可能性があります。Google Calendar Mobile Gateway を使用して携帯から Remember The Milk を見るときも同様ですね。NetvibsなどのrssiCalをインポートした各種サービスでも同様です。これだけでもプロジェクト名はタスクに含めるべきではないことが分かります。(まだタスク名の末尾に付けた方がマシです)
次に、プロジェクト名で一意に検索できない点があげられます。例えば「abc」「abcdef」というプロジェクトがあった場合、タスク名の部分一致検索で「abc」を検索すると、両方のプロジェクトが検索にひっかかってしまいます。さらに、タスク名にプロジェクトとは関係なく「abc」という語句が含まれていてもヒットしてしまします。これでは、プロジェクトごとのスマートリストさえまともに作ることもできません。
この発想のおおもとのなっているのは、「ソートした時にタスク名の選択が同じだと同一プロジェクトが並ぶから」というのがあると思いますが、これさえも期日や優先度が異なれば実現されなくなってしまいます。

まとめ

Remember The Milk でのプロジェクトの管理には手を焼いていましたが、ここで紹介した方法を実践するようになってからは満足のいく管理ができるようになりました。Remember The Milk のフォーラムでも活発に議論されていますので、今後、システムで正式にプロジェクトの概念が取り入れられることを期待してします。